最近のアナログ盤

最近、新譜はアナログ盤かハイレゾ配信で買う機会が増えて
きた。アナログ盤で買って気に入ったアルバムがあれば、ハイ
レゾ音源をダウンロードしてPCオーディオで楽しんでいる。ダ
ウンロード・コードがついたアナログ盤も多く販売されており、
その場合は一石二鳥だ。

ジョー・ウォルシュの新譜のように、ハイレゾ音源のダウンロ
ードコードがついたアナログ盤もある。だからここ数年、我が
家でも新しいアナログ盤がどんどん増えてきて、棚を占領しつ
つあるのだ。

 最も占領域が大きいのは去年の暮れに出たビートルズのステ
レオLPBOX。CDBOX、USBBOX(ハイレゾ)に続き黒く四角い
箱であるが、無論今までで一番でかい。豪華なハードカバー本
とともに収納された14タイトル16枚のLPは開けて並べるだけで
満足感を...いやいや、やっぱり聴かないといけませんよね。

 音質はとてもクリアーでサッパリしている。09年の24bitリ
マスターを元に細心の注意を払ってカッティングされており、
アナログ盤特有の内周歪みは極力抑えられている。このあたり
はCDでビートルズに親しんできた層への配慮が感じられる。

 ビートルズのアナログ盤といえば、中域に爆発するようなエ
ネルギーを詰め込んだ英国オリジナル盤の存在感が強い。中古
市場ではレコードとは思えないくらいの高額で取引されている
が、倍音成分をたっぷり含んだ鮮度感をひとたび味わうと、そ
のサウンドの虜になってしまう。

 当然今回のデジタル・リマスターLPはオリジナル盤とは違う
傾向で作られている。元の09年リマスター同様、リミッターは
おさえられ、近年のCDリマスターによくあった過度にハデにし
たりギラギラしたりすることはない。自然な音場と明快な分離
感。ただやはり、USBBOXのハイレゾデータと比べると、アナ
ログならではの実在感は増している。これが針が溝をこすって
出すフィジカルならではの利点だろう。

もちろん聴く人それぞれのオーディオ装置にもよるのだろうが、
デジタルで親しんで来たフアンにこそ聴いてほしいアナログ盤
になっている。

 輸入盤ではバラ売りもされており、おススメは『マジカル・
ミステリー・ツアー』のB面。1967年というマジカルな年の、
マジカルなビートルズの魅力が最新のアナログサウンドで堪能
できる。

 過去ビートルズのLPBOXは本家英国EMI含めて各種でている
が、音質的に定評があったのは米国モービル・フィディリティ
社のハーフスピード・カッティングによるもの。しかしシング
ル曲のまとめ方やノイズ感のなさ等を考えれば今回LPBOXはと
ても魅力的に思える。

 ビートルズ以外にもローリング・ストーンズやザ・フーなど
昨年は大物のアナログLPBOXが続々と発売された。新譜でもド
ナルド・フェイゲンは透明ビニール2枚組で発売。音質もハイ
レゾをしのぐほどであった。ジャズやJ-POPも含めて、今年も
多くのアナログ盤が発売されるだろう。

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